SWOT分析には愛情がない?

愛情

 

「SWOT分析」ってご存じでしょうか。 

超有名なフレームワークの一つです。 

 

事業環境を強み、弱み、機会、脅威の4つの観点で整理するというものです。 

強みと機会が内部環境、機会と脅威が外部環境です。 

 

事業計画書を書くときなどに使われる事が多いです。 

 

フレームワークというのは物事を当てはめて考えるための

「思考の枠組み」です。 

 

この「SWOT分析」は超有名すぎるがためか? 

ときどき批判する方にお会いします。 

 

特に、税理士さんや銀行員の方などにSWOT分析などのフレームワーク分析を 

目の敵にしている方がおられます。 

 

「企業への『愛情』が感じられない」とか…。 

「意味がない」とか、その他諸々…。 

 

企業側の当事者の方からは 

「やろうと思ってやってみたけれどうまくできなかった…」 

というご意見もときどきお聞きします。 

 

まず「愛情」の件、

これはフレームワークが客観的な分析である事がそうした印象を 

与えることがあるのでしょう。 

 

次に当事者からの「うまくできなかった」件、 

これは実際にやってみて、難しさに気づくことがあります。 

 

どういう事かというと、一つの物事が機会なのか?脅威なのか? 

立ち位置で変わる事があります。 

 

たとえば、顧客からの短納期要請の件 

これは、できる企業にとっては機会、できない企業にとっては脅威です。 

 

なので、一つ一つを単体で単純に考えるのは実は難しく、

今後取るべき方向性と行きつ戻りつして、考える必要があります。 

 

そういう意味では確かに使いにくい面もあり、 

個人的には分析のためには「SWOT分析」はあまり使いません。 

 

個人的に「SWOT分析」を使うのは事業計画書などで、

事業環境の説明を記載するときなどです。 

 

「SWOT分析」という手法を使うことで、物事がシンプルに整理され、

第三者にとって意図や背景が理解されやすくなるためです。 

 

つまり、

フレームワークの利点は「強制的」に「網羅性」を担保できる

点にあります。 

 

人間の視野は狭いものです。 

 

特に同じ業界、同じ業務に長く居続けると、 

あれもできない。これもできない。 

できない事がどんどん増えていきます。 

 

そんな思考状態で、個別的に考えると、経験則的に同じところを

なぞるような事が起こりがちです。 

 

なので、「フレームワーク」は分析ツールというよりも

強制的に視野を広げるためのツールと捉えてはいかがでしょうか。 

 

そういう意味では、必ずしも「SWOT分析」などの

有名フレームワークである必要はなく 

その企業の課題に合わせた二軸のマトリクスなどでも役立ちます。 

 

「できない」と思ってきたことは本当に将来にわたって、

ずっとできない事なのか? 

 

今は「できない」としても、今後できるようにするための条件を

一つずつ整える事は絶対にできない事なのか? 

 

視野を変えるとできる事はたくさんあります。