2012年6月21日に成立した「中小企業経営力強化支援法」が本日(2012年8月30日)、施行されました。
本法は、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための支援ネットワークの構築を主要な目的としています。
具体的には、中小企業診断士や商工会議所だけでなく、金融機関や税理士、公認会計士、弁護士などの専門家のうち、基準を満たす法人や個人を国が経営支援機関として認定し、中小の事業者に活用してもらうことで、実効性の高い経営計画が策定され、経営改善につながる効果が期待されています。
本法について、説明会で聞いた内容をご紹介します。
< 背 景 >
本法制定の背景は以下の3点です。
1.中小企業の経営課題の多様化・複雑化
2.リレーション・バンキングが培ってきたノウハウの活用
3.金融円滑化法の終了(2013年3月)
< 狙 い >
中小企業の経営課題が多様化、複雑化する中で、金融円滑化法の終了が予定されています。そうした中で、金融機関を説得できる水準の経営計画書を策定できる支援者のネットワークを構築することが本法の主な狙いのようです。
< 具体的には >
中小企業の支援事業の担い手を多様化、活性化させるために、支援機関の認定を行い、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制整備を行います。
< 認定基準 >
認定支援機関になることができるのは、下記3点のすべてを満たす法人、または個人です。
1.能力要件:
税務、金融及び企業財務に関する専門的な能力(知識)があること
2.実務要件:
経営分析、指導、助言の実務経験があること
3.体制要件:
継続的に支援業務ができる実施体制があること
各認定基準の詳細は、下記のとおりです。
1.能力要件:税務、金融及び企業財務に関する専門的な能力(知識)があること
下記3点のいずれかに該当することが必要です。
① 税理士、公認会計士、弁護士、または金融機関であること。
② 経営革新計画などを支援し、認定された実績が3件以上あること。
③ 中小基盤整備機構が開催する20日間の研修を受講し、試験に合格すること。
2.実務要件:経営分析、指導、助言の実務経験があること
下記2点のいずれかに該当することが必要です。
① 3年以上の実務経験があり、そのうちの1年以上は経営分析、経営計画作成、実行支援などの業務であること。(たとえば、納税業務を3年以上行っている税理士が、そのうちの1年以上は経営指導も合わせて行っているなど)
② 中小基盤整備機構が開催する2日間の研修を受講し、試験に合格すること。
3.体制要件:継続的に支援業務ができる実施体制があること
下記を満たしていることが必要です。
① 管理組織、組織体制が整備されていること。
② 過去3年の財務状況に問題がないこと。
③ 窓口となる拠点があること。
支援機関として認定されると、ホームページに掲載される予定とのことです。
認定支援機関を国として公表し、どこに、どのような認定支援機関があるのかが、中小企業者にわかるようにすることで、中小企業者が安心して相談できるようになる環境を整えることを当面の狙いとされています。
支援を必要とする中小企業者に、必要な支援が届けられるようになることが重要ですね。
中小企業庁告知:中小企業経営力強化支援法が本日施行されます http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/2012/0830Kaigai-kaisei.htm